第一章 女性議員は何故に少数か? (3)利益誘導は地域基盤を造ったか、地域選挙の知恵

つい20年前には、地方議員は地元に予算を誘導するために、地域では地域代表を推挙する選挙が行われてきました。私のところでは義父が議員をしていましたが、その頃はそういう時代だったと思います。ですから、人口の少ない地域でも、地域内を固めて、必ず地域代表を議会へ送り込む、そのような後援会活動が行われていました。
義父らは地元の期待に応えるように努力して、他の議員よりも沢山の予算を地元に誘導する切磋琢磨をしていたと推察しています。
今もその知恵は引き継がれていて、地域で候補者を決めてしまえば、落選させず当選に向けて動きだします。その組織には100人を超える後援会組織となって、区長さんや組長さんがかわるがわる事務所詰めをされたりして、有無を言わさず住民がお茶当番等の当番表に載っている時間をノルマとされて活動されています。
さらに候補者が乱立しないよう地域内で候補者を一本化したり、イレギラーな出馬者への対応を厳しくされたりもします。現職のいるエリアですとこんな風に地元組織にほとんどの方々が入りますから、あとからどなたが出ようも、後発の候補者には寄り添える方がいなくってしまいます。これも地域代表を出すための昔ながらの知恵なのでしょう。

それでは、現代もそういう地域代表型の議員が必要でしょうか?必要というよりそのような役割があるでしょうか?財源が極端に縮小している中で、地域に予算誘導は昔のようなわけにはいきません。
議会改革の中でも議員定数削減は、市民の要請であろうと思います。諸外国のように有償ボランティアならば、議員定数を多数にしてもよろしいわけですが、私達の地域では、専門性の高い議員を少数選んで、都市のビジョンを描くほどの専門的知見を持ち、弾力的で活発な議員活動をしてくれて、それを議論する議会運営を求めていることでしょう。
議員定数削減と言う中で、いまだに地域への利益誘導型のしがらみ選挙をされている地域では、特に女性の候補者を見つけるとこができにくいのは必然です。

地域の中でもいろんな議論をして、差別なく候補者の政策を聞いて、その中で必要だと思う候補者を選び育てることも市民社会には必要です。運動会、敬老会、ゴルフ大会、などなどで触れ合う活動も大切ですが、住民が「市民」として「未来の地方議会の在り方」を今一度考察する必要があろうかと思います。それも早くに。
皆さんも考えてください。未来を予見して都市デザインを立案し、実践を起こしていくこんな議会が求められていると思います。女性の活躍する議会を創るのも、市民おひとりお一人のチカラがそれを創るのだと思うのですが。

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