茶の防霜ファン、原子力発電1基100万kWの3分の一

 製茶の段階でも電力なしにお茶は作れません。昭和54年の大凍霜害を契機に防霜ファンが普及して茶工場だけでなく茶園地でも電力は必要です。山深い所でも電力会社の理解の中で設置されています。
 当時の設計では10aあたり3kW、約9000haの面積に設置すると27万kWが必要とされていました。これは原子力発電所の1基100万kWの出力の三分の一に相当します。
 3月下旬から4月の短期間に、これだけ大量に、しかも料金設定も割安だと聞いています。地域産業の茶業を、電力業界からも支えて頂いていたことがわかります。
 今年の茶価の低迷はたしかに、風評被害であろうと思います。2番茶の鹿児島茶市場の平均単価の高騰、静岡茶市場の平均単価の下落をみれば、明らかです。
 単価の下落や、売れ残りなどの対応は賠償の対象で扱われるようにも思いますが、例年行われている中刈り更新や深刈り更新をその対象に乗せるか否かは、議論が必要かと思います。
 賠償は電力会社資産及び電気料とそして税金で支払われるわけです。どの部分を賠償対象にして頂くかは個人の見解ではなく、産地で話し合うことも必要かと思います。産地によっては除染としての深刈り更新を平素より大幅に実施したところもあるのでしょうし、平年と同じ程の更新をしたところ等まちまちですから。
 限りある予算を被災地の早急なる復興へ回すのは、国民の願いですから倫理観のある対応が求められます。
 賠償問題は今年限りの一過性のものですが、これからの原発問題の中で、または発送電分離などがされたとしたら、電力をどう確保するのか、もっともっと茶業の中でも議論していきたいものです。
 

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